153人が本棚に入れています
本棚に追加
「だ・い・た・い!!何の為に私が軍に入っているのかわかってる!?ヤロー引っ掛かる為じゃ無いわよ!!こっちは命張ってんのよ!!」
「でっでも…二億円の融資が…」
「ねえ、お父様。先程の私の話、聞いてらしたかしら?」
それでも退かない父に対し、ニコリと可愛く笑んだラスティアは、その表情とは裏腹にこれでもかと言うくらい、低い声を出す。
「クックッ、政略結婚?上等よ。お父様が駄目にしたこの国すくえるなら安いもんだわ。けどねぇ!!」
そう言うと、次は綺麗なアーモンド形の目をこれでもかと見開き、鬼の形相で再び怒鳴り始めた。
「やるなら最も利益のある結婚を選んでよ!!たった二億で何ができんのよ!!そ・れ・に!!私の夫になるって事は、いずれ王座に座ることを意味するのよ!!それを…」
そう言ったラスティアは血が滲む程にぐっと唇を噛んだ。
もし自分が男であったなら、何度そう考えたか。
いくら剣が強くとも、いくら軍司で成果を挙げようとも、女である自分は王座に座る事は出来ない。
それが、悔しくて仕方ない。
最初のコメントを投稿しよう!