─act.1─

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「だ・い・た・い!!何の為に私が軍に入っているのかわかってる!?ヤロー引っ掛かる為じゃ無いわよ!!こっちは命張ってんのよ!!」 「でっでも…二億円の融資が…」 「ねえ、お父様。先程の私の話、聞いてらしたかしら?」 それでも退かない父に対し、ニコリと可愛く笑んだラスティアは、その表情とは裏腹にこれでもかと言うくらい、低い声を出す。 「クックッ、政略結婚?上等よ。お父様が駄目にしたこの国すくえるなら安いもんだわ。けどねぇ!!」 そう言うと、次は綺麗なアーモンド形の目をこれでもかと見開き、鬼の形相で再び怒鳴り始めた。 「やるなら最も利益のある結婚を選んでよ!!たった二億で何ができんのよ!!そ・れ・に!!私の夫になるって事は、いずれ王座に座ることを意味するのよ!!それを…」 そう言ったラスティアは血が滲む程にぐっと唇を噛んだ。 もし自分が男であったなら、何度そう考えたか。 いくら剣が強くとも、いくら軍司で成果を挙げようとも、女である自分は王座に座る事は出来ない。 それが、悔しくて仕方ない。
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