24人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
「うう…緊張する…」
ドアの前で思わず私は呟きました。
玄関のチャイムのボタンが、とても遠くに見えます。
今日は、私、三澤 綾が、殺し屋になってからの初仕事です。
ボスは、お前なら出来る!って言って励ましてくれたけど、正直不安で不安で仕方ないです…。
ちゃんと一撃で急所狙えるかなぁ。
目撃者を出さないで済むかなぁ。
証拠…隠滅出来るかなぁ。
考えれば考える程、不安な事が沢山出てきます…。
ポケットに入れた愛銃のベレッタを握りしめます。
本当はコルトパイソンあたりが可愛くて良かったんだけれども、ボスに言ったら、お前は射撃が下手だから、装填に時間がかかるし、装填数が少ないリボルバーは向いてないって言われちゃいました。
ちゃんとリローダー持ってたら早く装填出来るのにな…。
でも、ベレ美って名前を付けたこの子は、ボスに貰ってからは訓練の時も夜寝る時もずっと一緒です。
よくよく見ると可愛いし、使い易いのでボスの判断は正しかったのですね。
深呼吸をして、ベレ美にサイレンサーを取り付け、弾層を確認してからホルダーにしまい直します。
チャイムのボタンに指を掛け、もう一度だけ深呼吸をしてから一気に押し込みました。
最初のコメントを投稿しよう!