綾's side-1-

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「うう…緊張する…」 ドアの前で思わず私は呟きました。 玄関のチャイムのボタンが、とても遠くに見えます。 今日は、私、三澤 綾が、殺し屋になってからの初仕事です。  ボスは、お前なら出来る!って言って励ましてくれたけど、正直不安で不安で仕方ないです…。  ちゃんと一撃で急所狙えるかなぁ。  目撃者を出さないで済むかなぁ。 証拠…隠滅出来るかなぁ。 考えれば考える程、不安な事が沢山出てきます…。  ポケットに入れた愛銃のベレッタを握りしめます。  本当はコルトパイソンあたりが可愛くて良かったんだけれども、ボスに言ったら、お前は射撃が下手だから、装填に時間がかかるし、装填数が少ないリボルバーは向いてないって言われちゃいました。 ちゃんとリローダー持ってたら早く装填出来るのにな…。 でも、ベレ美って名前を付けたこの子は、ボスに貰ってからは訓練の時も夜寝る時もずっと一緒です。 よくよく見ると可愛いし、使い易いのでボスの判断は正しかったのですね。 深呼吸をして、ベレ美にサイレンサーを取り付け、弾層を確認してからホルダーにしまい直します。  チャイムのボタンに指を掛け、もう一度だけ深呼吸をしてから一気に押し込みました。
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