私立青騎士学園

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中山町の一番大きな屋敷、天川屋敷にて一人の男が熱心に剣を振っていた。 いや、剣を振るうのは当然である。 香織を守る事。 それが僕がここにいられる理由であり、それが無くなれば、僕はお払い箱であり、路頭に迷わなければならなくなる。 星数彗、現在15歳にしてそんな難しい事を考えながら、いつもの稽古をしている。 稽古は一日サボるとかなりの腕が落ちるから、一日も休む訳にはいかないのだ。 あまり護衛回数は少ないが。 僕がするボディーガードはせいぜい、学校内や登下校や学校の旅行など、黒服のボディーガードを近くに置けない場合の状況だけだ。 っていうか、そういう金持ちの御令嬢として、扱われるのを嫌っているのである。香織は。 金持ちの子って多くの場合、他人を極端に蔑む人になるか、金持ちの娘である事で人から避けられるのを嫌うかのどっちかになるのが、多いと僕は思うが、香織は後者の分類だろう。 『彗様。6時半になりましたので、そろそろ起こしに行った方が言いと思われます。』 「そんな時間か。恋?」 『はい。』 ちなみに、こいつは水晶の恋(こい)。 父から貰った水晶は『機械水晶(マシーンジュエル)』の事だ。 『機械水晶』は自分の主の人間に忠実で、意思疎通をする為、テレパシーで話が出来る水晶だ。 ちなみに『機械水晶』はそれぞれ人格があるらしい。 まぁ、『機械水晶』は恋以外に知らないし、人格が全員、同じかもしれないという説もあるかも有効かも知れないが・・・・・。 まぁ、名前の意味は、僕の『彗』のけを一つずらして付けただけだが・・・・・。 ちなみに名付けてやると、 『かわいいし、即刻採用します。』 と、言っていたが。 気に入ってもらえて良かった。
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