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『困った時は、私達におまかせ!』
妙に乗り気な女の子の声。
「・・・・・普通に名乗らず、助けた方がいいと思うぞ、恋?」
確かにその通りであると思う事をいう少年の声。
『悪を倒せと人が呼ぶ!』
「・・・・・襲われてる人は呆気にとられ、声を発する余裕がなさそうだが・・・・・。」
『正義の国からやって来た藍と結城だけが友達だ!』
「・・・・・その言い方だと正義の国からやって来た藍と結城という人しか友達がいない可愛そうな人にしか思われない。」
『正義の使者、恋!ただいま検算!』
「・・・・・数学の答えがあっているのか計算している事になっているぞ、恋。」
・・・・・激しく不安。
だって大鼠も呆気にとられて固まっているもん。
そして桜の木に一人の少年が降り立った。
「・・・・・え?」
降り立った少年はこの近くの中学の制服を着ていた。
短めに雑に揃えられた髪。
何を考えているのかわかりにくい無表情な目。
無駄な脂肪がない、スマートな体。
こんな機会じゃなければ、好きになってしまいそうだ。
・・・・・って、何を考えてるんだ、私。
「・・・・・大丈夫ですか?そこの人?」
「わっ!びっくりしました!急に出てこられてもびっくりします!」
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