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そんなある日、突然裕二があの闘技場に行こうと言い出した。
裕美はあの日の決着を見ていなかった上、零子の生死も知らされていなかった。 だからこそ、真実を知るのが怖かった。
だが、このままでは二人共、先へ進めない……だからこそ確認しなければいけないのだっと考え直して、着いていく事にした。
――風の谷――
前に見た時よりも、もっと殺風景になってしまっていた。
だかよく見ると、以前慰霊碑が建っていた場所には、新たに十字架が建てられていた。
「あれは……」
「……零子の墓です」
「!?」
『零子の墓』……その言葉を聞いた裕美は一瞬目眩を覚えた。
だが、裕二は十字架を正視したまま話を続けた。
「あの日……貴女は気絶してしまっていたみたいなので、彼女の最後をちゃんと伝えなければっと思いまして、今日連れて来たのです」
「零子の最後……」
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