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「あの時、お互いに最終にして最大の術を繰り出したんです」
その術はお互い秘術中の秘術でした。 そのため、かなりの衝撃波で辺りを破壊してしまいましたが……
その術は光と闇という相反する性質を持っていた為、力は均衡していたんです。
しかし、私の体力が限界に達した瞬間 、彼女の術が解けたのです。
その時、何故か私と目が合った次の瞬間、彼女は微笑みを浮かべ闇に飲まれていきました。
最後に『裕美を頼む』と言い残して……
私は瀕死の傷をおい、すぐに立ち上がることが出来ませんでした。
そして彼女の姿はそこには在りませんでした。
私は目を懲らして辺りを見渡しました。
すると、今十字架が建っているあたりに光るモノを見付けたんです。
私は身体を引きずる様に近づいてみると、それは小さな小さな命の珠でした。
彼らの一族の中には滅亡を防ぐ為に秘術により転生を繰り返す者が居ると聞いた事が有ります。
きっと彼女にはその秘術が施されていたのでしょう。
私はその珠をある場所に隠しました。
それからは度々様子を見に行っていましたが、その珠の中で徐々に人の形を成していきました。
「そして、今日あたり新たな命として誕生するはずなのです」
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