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裕美は耳を疑った。
では、あの墓と言っていた十字架は何なのだろうか……
「あの十字架は『零子』と言う人格の墓なのです」
「でも、転生したんでしょう?」
「“転生”と言っても記憶までは受け継がないんですよ」
「じゃあ……姿形は同じでも、別人って事?」
「もしくは姿すら違うのかも知れません。
私もこの瞬間を見るのは初めてですから」
そう語りながら二人はその珠を隠したという場所に向かっていた。
「ここです」
「こんな処に部屋があったなんて……知らなかったわ」
「ええ、この場所は私しか知らないと思いますよ。
なにせ、建てられた後で私が密かに造らせたんですから」
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