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「………ゲ………ミカゲ………!!」
「テイト……」
怖い──…
怖い怖い怖い怖い怖い……!!
なんで、俺の前から消えるんだ?
何で笑ってるんだ?
なぁ、何でだよ!?
「行くな!!……ミカゲ!!」
俺をまた独りにしないでくれ!!
ミカゲ──………
「…………っ、はぁ…はぁ…」
夢……?
そう思った瞬間、ホッとしたと同時に寒気がして下のベッドで寝ているはずのミカゲの顔を覗き込む
「…………いな、い?」
考えるより早く俺の体は動いていて廊下へ出ようとした
「…………っ!!」
すると、同じタイミングでドアが開きテイトは何かとぶつかる
「あ……テイト?わりぃ!!大丈夫か?」
痛さも一瞬で吹き飛び顔を上げる
「ミカゲ?」
「どうしたんだよ?………って、泣いてんのか!?そんなに痛かったか?」
「ミカゲ………!!」
「うぉっ!?」
いきなり抱きついた俺にビックリしながらも優しく抱き締めてくれた
さっきまでの不安な気持ちもなくなり、ミカゲの腕の中で安心していた
「何があったんだ?」
「……………見たから」
「ん?」
「ミカゲが………消えちゃう…夢、見たから」
思い出したらまた泣きそうになった俺をさらにギュッと抱き締める
「………俺はここにいるぜ。お前を置いてどこにも行かない」
「俺を独りにしないか………?」
「当たり前だろ、大親友」
「………ありがとう、ありがとう…………。俺、もしお前がいなくなったら…」
「お前だけ残して行かないって!!例え生まれ変わってでもテイトに会いに行くよ」
だから、泣くなよ?
優しく頭をなでてくれる手がとても気持ちが良くて…………ますます大好きになっていく
「ミカゲ……」
「ん?」
「………………好き」
「俺も。愛してるぜ」
眠りに落ちる途中で俺は決心した
何があってもミカゲだけは守る、と
それは、卒業試験の一週間前のこだった
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