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「……名前。皆! 自分の名前は分かるか!?」
そんな中でまだ客観的な視点を保ち続けていた少年は、皆を黙らせるように再び叫んだ。
するとまた辺りはしんとなったが、一度沸騰した湯に火を掛けるのを止めて泡を抑えても火を点ければまたすぐに泡が沸くのと同じ様に、人々は口を開けて思うが侭に言葉を吐いた。
「分かる! 名前だけは!」
「何故名前だけが!?」
「名前だけではない、正しくは名前と自分が死んだことだ!」
「そう。アナタ方は今から数ヶ月前に亡くなられました」
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