敬称、キングコング

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  「そんなにイヤ~?・・・そんなら自分で嫁にする娘を見付けて連れてくるんじゃな。ただしッ!! いつまでも待ってはやらんぞッ!!」 権蔵右衛門はビシッ!! と音がしそうな勢いで一馬を指差し、高らかに宣告する。 「一ヶ月じゃッ!! 一ヶ月で嫁を見付けられんかったらぁ・・・?」 「・・・かったら?」 「このッ!! 聖子ちゅわんと結婚してもらうぞぉおおおおおいッ!!!! ワシ、こんな娘が欲しぃ~い!!!!」 「『欲しぃ~い!!!!』っじゃねぇよあんの色ボケジジイぃいいいいッ!!!!」 学校への道すがら、一馬は傍らにあった電柱を拳で殴り付けた。 「~~~~~~~~ッッ!!」 ・・・痛かった。 かくして、キングコングとの結婚を回避するべく、一馬の嫁探しが始まったのだ。  
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