24人が本棚に入れています
本棚に追加
俺の親父はひたすら無口な人物だった。
本当に無口な奴。世界は広しと言えど、あんなに無口な人は、稀だと思う。
小学生の時に、珍しくテストで百点を取れば、何も言わずにただ俺の頭を撫でてくれた。
逆に、何か悪いことをした時は、頭を拳骨でコンコンと2回叩かれる。
それは、歯をくいしばれと言う合図だ。
そして、俺が歯をくいしばると、思いっきり拳骨をする。
ただ、中学の時。
学校で煙草を吸ったのがバレた時は、何も予告なしにめちゃくちゃ殴られた。
親父と会話した記憶……
ん~
「夕刊取ってきてくれ」
「おう」
これだ。
間違いなく、親父と一番多くしたやり取りは。
そんな人物。
最初のコメントを投稿しよう!