親父

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ちょくちょく実家には帰っていた。でも、親父との会話はない。 別に小さな頃からだし、そういう人なので、俺も大して気にしない。 ただ、一緒に酒を飲んだ時がある。それはやっぱり焼酎。 俺はあまり焼酎が好きじゃないが、でもなんだかその時は心地よかったんだ。 親父にしては珍しく、たくさん飲んで、そしてたくさん喋っていた。 まあ 「美味い」 って言葉を、一時間に2、3回言う程度だったけども、それでも口数が多い方に入るのが、親父が無口たる由縁。 3年前。 仕事が終わって携帯を見たら、親父の働いている工場から電話が来ていた。 親父が癌になったと言う報せだった。 なんとか忙しい仕事を片付け、俺が親父の元に行った次の日に、親父はぽっくりと逝ってしまった。
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