下界

4/7
前へ
/15ページ
次へ
階段を上るとそこにはふてぶてと太った王が椅子に座っている。 蓄えに蓄えた髭を左右に引っ張りながら穏やかな笑みを零した。 「これはこれは、アヴィラ殿」 「初にお目にかかります、ナバール王」 片膝をつき頭を垂れる。ナバール王をそれをよいよいと手を振った。 「ふむ、話はそなたの父から聞いておるよ。…災厄の謎を解き明かすために下界へ降りたそうだな?」 「その通りでございます…。私は父の命を受けこちらへ参りました」 「ふぉっふぉっ、そうかそうか…」 一人納得したナバール王。アヴィラは少々疑惑を抱く。 何故この街は荒んでいないのか。 災厄が起これば民は恐れ涙し猛り狂う。 一体何故…? ふと 身体に走る 殺気  
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加