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壁に垂れるパイプを登り、休憩のため脇にあった隧道へ入った。
少しばかり座り目を閉じていると、奥の方から生活の匂いが漂ってきた。
流離人は立ち上がり隧道の奥へと歩いた。
そのうちに微かな光が見え始め、だんだんと光は大きくなり、とうとう開けた場所へ出てきた。
見渡すとこれまで見たことのない人々があらゆるところで蠢いていた。
得体の知れない機械やソフト、生体の一部、パーツ、オイル、興奮剤などの売買が道の脇で行われていた。
茫然としながら道なりに足を運ぶ。
ふと見上げると複雑な階層が人工的な力で無理矢理壊され、移動や生活のしやすいよう再構築されているのが見えた。
造形に意志はなく醜いものだった。
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