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体温と体温が重なる・・
雨がベッドの軋む音をかき消してゆく・・
和哉の腕の中はとても温かった。
・・・・・
窓に吹き付けていた雨がおさまった明け方。
『和哉さん・・あの日・・有り難うね』
ベッドの横に座り煙草をすっていた和哉に涼が言う。
「え?・・」
和哉が涼を見る。
『嬉しかった・・そして・・ずっと会いたかった・・』
微笑みながら和哉が頷く。
「俺こそ、あんな寂しそうな顔で渋谷に居た涼ちゃんを放っておけなくて・・あれから気になって仕方なかったんだ。」
涼が手を伸ばし、和哉の腕に触れ・・
『また・・会える?』
少し目線を反らす和哉・・
「俺・・婚約者が居るんだ・・親に薦められての人だけど、じき結婚になると思う・・もう少し出逢うのが早かったら!・・」
腕に触れていた手を、和哉の口に持っていく・・
『それ以上いわないで?!ちゃんと伝わったから・・』
口を塞いでいた涼の手を和哉が掴み、
「都合いいかもしんねぇけど・・やっぱまた逢いたい!」
『結婚するまで・・タイムリミットは結婚するまで・・アタシにも愛をくれませんか?・・』
こうして二人のカウントダウンが始まった・・
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