深夜のタクシー

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深夜0時。 新宿でタクシーを拾って 煌々と流れる街を見ていた。 君が私を抱きしめていたのは 2時間前のこと。 君が私に もう会えない と言ったのは 30分前のこと。 時は無常だ。 どんなに幸せな一瞬も どんなに悲しい一瞬も 同じスピードで 淡々と流れていくのだから。 冷たいといえば冷たいし 優しいといえば優しい。 同じスピードで流れていく時間の中で 私はいつか 君を忘れるのだろうか。 会わないと決めた君が 私を思い出すときは 来るのだろうか。 2時間前に 強く抱きしめられた感触が まだ背中に残っている。 .
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