1296人が本棚に入れています
本棚に追加
翌朝美鈴の熱は下がっていた
もらった水薬を飲まして、私はタクシーで会社まで美鈴を連れて出勤した
『誠、昨日はありがとう。もう熱下がったから』
『そうか、お前今日はタクシーできただろ?』
『しばらくタクシーでと思って…電車で風邪移されると困るでしょ?』
『…タクシー代馬鹿にならないだろうが。いいよ、俺が迎えにいくから。今年いっぱい車だして通勤してやる』
『え?いいの?』
『お前のためじゃねぇ。美鈴のためだ!』
『ありがとう恩に着る!』
私は日曜日、実家に美鈴を初めて連れていった。孫の顔みたら、事情わかってくれるだろうと思ったからだ
お母さんは『さすがは加奈子の子供ね。美人だわ』
お父さんは『頭も良さそうだしな』
おっと脈ありか?
『で加奈子はなんで娘置いて大阪にいったわけ?』とお母さんは美鈴を抱っこして言った
『あ、あの~旦那さんの正人さんとは別れて、お好み焼き屋しながら美鈴育てたいって…で…大阪にお好み焼き修業にいくと手紙には…』
『あらあら、困った子ね(笑)』
『あのだからさ、私休みの日、お姉ちゃん探しに行こうと思って…』
『あの馬鹿男はどうしとるんだ』
『ああ…正人さんとはいまだ連絡取れずで…稚内で忙しいのかな、あはは…』
『美鈴ちゃん、看てあげてもいいわよ。でもね~条件あるの。はい、これ』とお母さんは見合い写真なるものを私の前に置いた…
最初のコメントを投稿しよう!