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そして、思い出した、
隣に眠る男の告白を聞き、思いがけず実った恋の実を抱き締めて、眠りについたのだ。
それを思い出し、今更ながらに顔を紅くする。
「おはよ…」
どうしようもなく、隣の人が目を覚ますまで、そのままで……。
うっすらと開かれた唇に、挨拶代わりに触れてみる。
「うん……」
小さい呟きに、思わず動きを止めたが、また眠りに落ちようとするその寝顔に寂しいような、それでいて安心したような複雑な思いがよぎるが、素直に寝顔が可愛いと思えた。
思えば、こんな間近で顔を見たことなんてないから、また悪戯にキスを落としてみる。
すると、身じろぎながらも抱き締める腕に力が込めらる。
「んだよぉ……」
嫌がれてるのかと、ちょっと心配したけど、彼の真っ赤になった耳元が照れてることを示してるから、嬉しく思う。
だから、素直にその耳元に「好き」と囁いてみる。
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