16029人が本棚に入れています
本棚に追加
/619ページ
まったく、どんな教育を受けてきたのだろうか。
自分たちのことを高貴なる存在と言っておきながら、全く常識がない。
あんな奴らが国を動かす人間だと思うと、怒りを越えて憐れにすら思った。
もちろんそれはエルも思っていたことのようで、周りを威嚇しながら頷く。
「ここにいると、俺たちは最高の国に住んでいると誇りに思う。」
たとえ弱小国であろうと、トップがよければそれだけ豊かになれる。
確かに私たちの上司であるカンナは、年下ではあるが頼れる存在だ。
「だからこそ、側で守りたいのだが……」
そう言って、エルは悔しそうに唇を噛んでいる。
もちろん私だって同じ気持ちなのだが、それより早く視界に腹立たしいものが入ってきてしまった。
「あれは……!?」
驚き以上に、激しい怒りが沸き上がる。
するとその瞬間、私は瞬時にポケットの中に入っていたある物を投げつけていた。
.
最初のコメントを投稿しよう!