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「例え全てをおっしゃらなくても、カンナ様の言いたいことを理解しているつもりです。」
今ここで話を聞くそぶりを見せるということは、カンナに隙を見せると言うこと。
それだけは絶対にしてはいけない。
カンナの最終兵器であるおねだりをされると、さすがの私でも断ることができない。
それを出される前にも、早急に彼を諦めさせなければならない。
「こんな調子ですし、学校もお休みですね。」
「学校は自分のことだけなので、致し方ないと思います。
ですが、仕事は別です。」
話を逸らすつもりだったのに、ものの見事に失敗に終わる。
しかも先程以上に、何やら闘志のようなものが見えていた。
これには内心焦ってしまう。
「カンナ様、しかしですね……」
「アレクさんだってわかっているはずです。
あの仕事は、僕でなければならないことを……」
そう言ってカンナ様は、つらいくせに起き上がろうとする。
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