外交

7/23
前へ
/619ページ
次へ
「例え全てをおっしゃらなくても、カンナ様の言いたいことを理解しているつもりです。」 今ここで話を聞くそぶりを見せるということは、カンナに隙を見せると言うこと。 それだけは絶対にしてはいけない。 カンナの最終兵器であるおねだりをされると、さすがの私でも断ることができない。 それを出される前にも、早急に彼を諦めさせなければならない。 「こんな調子ですし、学校もお休みですね。」 「学校は自分のことだけなので、致し方ないと思います。 ですが、仕事は別です。」 話を逸らすつもりだったのに、ものの見事に失敗に終わる。 しかも先程以上に、何やら闘志のようなものが見えていた。 これには内心焦ってしまう。 「カンナ様、しかしですね……」 「アレクさんだってわかっているはずです。 あの仕事は、僕でなければならないことを……」 そう言ってカンナ様は、つらいくせに起き上がろうとする。 .
/619ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16031人が本棚に入れています
本棚に追加