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しかしやはりと言うかすぐに崩れそうになったので、私は慣れた手つきで彼を支える。
そして何も言う隙も与えず、カンナに布団を被せた。
「とにかく、今は休んで……」
「時間がありません。
早く準備しなくては……」
「ちょっ、カンナ様っ?!」
珍しく反抗するように私の手を払いのけ、必死に起き上がるカンナ。
その気迫は凄まじく、それだけで今回の仕事の重要性が垣間見えた。
「この国は、近隣諸国に比べれば小さく弱い国です。
だからこそ、外交が大切になります。
アレクさんなら、わかりますよね……?」
「それは、重々承知していますが……」
確かにカンナの言う通り、この国は小さくそして弱い。
近隣諸国に攻められれば、一たまりもないというのが現状だ。
まぁ近隣諸国とは今の所友好的に付き合っているが、それも絶対とは言えない。
だからこそ、外交は国にとって重要視されているのだ。
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