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その最重要視されている外交を担っているのが、国ではなく国防軍というのが不思議なところである。
まぁ先代は好戦的な性格をしていたということもあり、あまり外交に向いていなかったが。
そのせいもあって近隣諸国との関係は曖昧なものだったが、今のような関係を作ったのがカンナである。
昔から先代の仕事を軽く手伝っていただけあってか、その手腕には私も舌を巻いたものだ。
「とにかく、今回ばかりは駄目です。
相手国に来ていただけるならまだしも、今回はこちらが出向かなくてはならないのですから……」
「近隣諸国全てが集まるパーティーですから、小国であるうちでやるわけにはいきませんよ。
そして、我が国だけがそのパーティに参加しないわけにはいきません。」
体がつらいくせに、その瞳の光は強くなるばかり。
そんな主にため息しか出ないが、もう答えはでたようなものだ。
私はどこか投げやりな気持ちになりながらも、小さく笑みを見せた。
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