16031人が本棚に入れています
本棚に追加
†††††††††††
「これはこれは、ガーディアン殿。」
「お久しぶりです、ルーク様。
お元気そうで何よりです。」
豪華絢爛なホールの中心で、大人たち相手に和やかに会話するカンナ。
普段は贅沢や華美を好まないカンナだが、今は彼のために仕立てられた艶やかな正装をしている。
今が仕事中ということもあり、割り切っているのだろう。
そんな彼を少々離れた位置から見守りながら、私は小さくため息をつく。
「おい、隣で辛気臭い顔するな。」
「カンナ様の壁になることができない自分を、ふがいないと思っているだけです。
どうぞ、お気になさらず。」
隣から聞こえた尖った声に苦笑を零しながら、ゆっくりと視線を向ける。
するとそこには、かなり不機嫌顔のエルが立っていた。
もちろん、彼も私も正装である。
いかにカンナの護衛とは言え、いつもの服でこの外交パーティーに同席するわけにはいかないから。
.
最初のコメントを投稿しよう!