外交

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だからそれなりに目立たない正装に着替え、ここに立っているのだが。 「おい……俺たちは、総帥の護衛なんだよな?」 「はい、その通りです。」 改めて何を言うのかと思いきや、そんな当たり前のことを聞くか。 そう思いながらエルに視線を向ければ、予想以上にイライラしている瞳と合ってしまった。 「護衛である俺たちが、側にいなくてどうするっ!」 「それは同感ですが、仕方ないことです。 なんせカンナ様は人気者ですから、すぐに囲まれてしまいます。」 もし普通のパーティーであるのなら、私だって迷わず彼の元に行く。 しかしここは、我が国とは比べようもないほど大きな国。 主催者側から招待状を持つ人間以外は入れないと言われているので、近付くことができないのが現状だ。 「とりあえず、この会場の入口付近に入れていただけただけでもよしとしなくては……」 「それはわかっている。 だがここからでは、いざという時に間に合わないぞ?」 .
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