外交

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††††††††††† 「カンナ君、実は前に話していたことだが。」 「はぁ……」 こんなに大量に人間がいる中で、何故僕を見つけられるのだろう。 ついそう思ってしまうほど、今目の前にいる人物にいつも声をかけられる。 どこの国のどこの人かは忘れたが、あまり好ましい人ではないことは覚えている。 もちろんそんな内心が顔に出ないように努力しながら、僕は淡い笑みを浮かべた。 こういった大人の世界で学んだ、所詮営業スマイルである。 「あの、申し訳ないのですが……」 「嫌だねぇ、忘れてしまったのかい?」 そう言って、ゴテゴテの指輪を付けた手で握られる。 その瞬間、背筋にゾワゾワッと悪寒が走った。 「あの……」 「君みたいな人間が、そんな弱小国にいるべきではない。 うちの国にきて、働いてみないか?」 露骨なその言いように、さすがに僕もムッとする。 しかしここで感情的になれば国際問題に発展してしまうので、そこはぐっと堪える。 .
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