プロローグ

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一人の隊長が、無傷のその人物に微笑みながら言う。 『当たり前だ。 この私が、たかが魔物ごときにやられてたまるか。』 『フッ―――同感です。』 何とも力強いその言葉に、揃って頷く隊長たち。 そんな隊長たちにその人物も笑みを見せると、腰にさしている剣を鞘ごと引き抜いた。 そして、目の前に掲げる。 『チマチマした戦いなんて戦いじゃない―――全軍、突撃する。』 そう言った瞬間、隊長たちは勢いよく頷いた。 皆一様に、瞳を輝かせている。 『各部隊、準備をしろ。』 『総帥なら、そう言うと思って……』 その人物にしてやったりといった表情を浮かべながら、隊長たちが後ろを見る。 するとそこには、7万もの兵士が整列していたのだ。 『既に、全軍の準備を整えちゃいました。』 『お前ら……』 ゆっくりと隊長たちの前に出て、その壮大な光景を見つめる。 .
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