16029人が本棚に入れています
本棚に追加
/619ページ
一人の隊長が、無傷のその人物に微笑みながら言う。
『当たり前だ。
この私が、たかが魔物ごときにやられてたまるか。』
『フッ―――同感です。』
何とも力強いその言葉に、揃って頷く隊長たち。
そんな隊長たちにその人物も笑みを見せると、腰にさしている剣を鞘ごと引き抜いた。
そして、目の前に掲げる。
『チマチマした戦いなんて戦いじゃない―――全軍、突撃する。』
そう言った瞬間、隊長たちは勢いよく頷いた。
皆一様に、瞳を輝かせている。
『各部隊、準備をしろ。』
『総帥なら、そう言うと思って……』
その人物にしてやったりといった表情を浮かべながら、隊長たちが後ろを見る。
するとそこには、7万もの兵士が整列していたのだ。
『既に、全軍の準備を整えちゃいました。』
『お前ら……』
ゆっくりと隊長たちの前に出て、その壮大な光景を見つめる。
.
最初のコメントを投稿しよう!