絶倫バンド

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絶倫バンド

●社会人2年目の話です。   高校の友達からバンドのライブをやるからと懇願され、やけに高額なチケットを購入した。   そして当日、会場に向かう僕。   『ガチャ』 中に入ると不安そうな顔の知り合いが2人。 …君も被害者か。 お互いに哀れむ。   すると友達が来て、 『ソフトドリンク1杯サービスだでな!』 と誇らしげに言う。   …突っ込む気になれません。   さあライブの開始です。   教室位の広さで、前には大勢の若者。 お!花束贈呈だ。 …凄いヤツらだったんか~と思いきや、別のグループ。なんだよ。   でも盛り上がってますね~。 何の歌か知らんけど。   …はい次は友達のバンドです。   え?   さっきまで前にいた若者全員が後方待機なんスけど。   え?   前に来いって?   うちら3人だけだよ。   …わかりました。   えっと…腕を突き上げて飛び跳ねるんだよな?   …きつい。 聴いたことの無い英語の歌を踊るのは不可能に近い。   後方では若者達が静観している。 『あはは。げらげら』 …俺らの踊りがそんなにおかしいか💢   密かに聞こえる笑い声が凄い気になります。   …もう少しで終わる。 握り締めた俺の拳が怒りを表現しているのに気付いてくれ。   やっと終わったか。 2曲目とかマジでやめれ。   肉体的疲労より精神的疲労のがでかい。   その反面、歌い終わった彼等は交尾を終えた猿のような表情。   少し腹立たしいです。   それから僕は2度とライブには行きませんでした。
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