コーヒースティック

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ある日、差別が始まった。 その日は、朝から気持ち悪いほど、羽村はご機嫌だった。 朝から一度も怒られない…。 4時間目に入って、 『もう来る…来る…来る』と、 私は、緊張していた。 多分、みんなもそうだったと思う。 見回すと、クラス全員が、先生の顔の表情を食い入るように見てた。 「キーンコーンカーンコーン」 クラス全体が、 「は~~っ」となって、 魔法が溶けて行く。 給食の時間になり、ますます羽村はニコニコしてる。 みんなも私もなんだかニコニコしてきていた。 さぁ、いただきますという時に、 羽村が、 「今日は、お中元でいただいたコーヒースティックが、 あんまり美味しいので、 皆さんにも分けてあげたいと思います!」 と、叫びに近い大きな声で言った。 皆さんと言うわりには、私を見て叫んでいる…嫌な予感がした。
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