平穏な日々の崩壊

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反発と挑戦の色を瞳に浮かべてビルをにらみ返し、ティーダはスタジアムへと急ぐ。 それにしても奇妙な夜だった。 ティーダも道を行きかう幾人かも、“それ”の接近を感じていた。 今夜、何かがくる。 そして何かが終わるのだと……。 やがて“それ”は、圧倒的な力を披露しようとしたその瞬間、“それ”――巨大な魔物は都市を飲みこむかのように姿を現し、たちまちのうちに各所を破壊していく。 パニックにおちいった群衆をかきわけ、崩壊したスタジアムをやっとの思いで抜け出たティーダを待っていたのは、ここ10年の間ティーダの後見をつとめてきた謎多き男、アーロンだった。 この非常事態を予期していたのか、妙に落ち着き払った様子の彼は、人波と逆の方向――明らかに危険な方向へと、ティーダを導いていく。
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