892人が本棚に入れています
本棚に追加
『竜ちゃーん♪』
『何?タケ』
『いや~ん。冷たいぃ』
そう言いながら竜に飛びつくタケ。
あっヤバイ。
軽く嫉妬してます、俺。
そんな俺の視線なんかに全く気付かない様子のお二人。
頬を膨らませながら竜に何か話しかけているタケ。
気になって気になってツッチーと日向の話しなんて耳に入らない。
早く竜から離れろし…
イライラが募っていく。
『…隼…人 おいっ!』
『あっワリー、なんて?』
『だから、今日さぁボーリング行くか、カラオケ行くかって話』
二人が怒りながら聞いてくる。
ごめんなさい…今は考えてる余裕ないです…
タケと竜と俺は小学校からの幼なじみ。
だからタケが竜に抱きつくなんて当たり前で…
でも、竜と付き合い始めてから俺の独占欲の強さは日に日にますばかり…
するとタケが竜の手をひきながらこっちの話に入って来た。
『俺はカラオケがいいっ!★竜もそうだよなっ?!』
なんでお前が勝手に決めてんだよ!!
イライラしながら竜を見る。
視線が合う。
『隼人は?』
『ふぇ?…あっ俺はボーリング』
竜にふられるなんて思ってもみなくて変な声が出てしまった。
マジで情けねぇー
『なら、俺もボーリング』
『えぇーなんで?!昨日はカラオケ行きたいって言ったら《そうだな》って言ってくれたじゃん』
お前ら俺に内緒でそんな話してたのかよ…
昨日も何か二人で楽しそうに話してるなぁーって思ってたから余計に腹が立っていたのだ。
『二人で行きたいって言ってたのは誰だよ?』
『あっそうだった★』
『何々?二人でとかズリーよなっ?!日向!!』
『そうだぜっ!俺だって竜と二人でカラオケ行きたいニャー』
お前らさぁ…マジで絞め殺されたい?
俺は自分の感情を抑えきれず、立ち上がる。
『わりぃー、頭痛いから屋上行って頭冷やしてくるわ。行く場所はお前らで決めといて』
そう言い教室を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!