好き…たった一言

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「お願い!誰かを好きにならないで!ヒナを、好きにならないで!」 俺の胸に置いている両手で、服をギュッと握る 「……」 「私の方が、先だったんだよ?ずっと、ずっと涼の事が好きだったんだよ?」 「彩…」 「涼は、私の事幼なじみとしか思ってないかもしれない。けど、私は一人の男の子として涼をずっと見てきた!だから、だから…」 泣きながらいう彩花はしっかりと嗚咽がまわっていなかった 「私の勝手な意見だけど、涼を誰にも取られたくない!私だけが涼の特別でいたい!」 もしかしたら、ずっと怖かったのかもしれない 今日、彩花が悲しそうだと思ったのはこういう事だったのだろうか 俺が、誰かと付き合うのが怖かったから、自分を見てもらおうと必死でアピールしていたのだろうか…
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