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「そう……やっぱり…敵わないな」
「ヒナ…」
ヒナは俺に背を向けて夕陽を見つめた
「涼君。私ね、彩花のことがずっと羨ましかった」
「…え?」
「だって、小さい頃から涼君と一緒にいれて、私の知らない涼君をたくさん知ってるんだもん」
「……」
「私、彩花になりたかった。本当は私が…涼君の幼なじみになりたかった」
「ヒナ…」
「なんて…こんな事言っても仕方ないのにね…」
「……」
「あーあ!振られちゃったか!まぁ、そうなることは覚悟してたんだけどね」
「え?」
「中学の時からそう。2人の間には私が入り込めない何かがあったの。だから、分かってたんだよ?最初から、私じゃ無理だって……」
「……っ」
そう言うヒナは涙をこらえていた
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