◇1◇

2/7
前へ
/9ページ
次へ
触れて…。 ……触れて。 指先から伝わる温もり。 指先同士が触れ合い絡み合う。 「…ねぇ…。 どうして、 わかってもらえないのかな…」 君は呟く。 「…ごめん…」 何に対してのごめん何なんだろう。 君も俺も同性だから? 付き合わなければ良かったって…。 …愛してる。 愛してる…。 唇が触れる。 君が俺のそれをそっと舐めた。 「…愛して…?」 君を抱き寄せながら、深いキスを交わす。 舌が絡み唾液が絡み、君の首筋にどちらともつかない唾液が溢れ落ちる。 ピチャ、クチュリと水音が耳を犯す。 好き… …好きだよ…。 頬を紅く染めながら喘ぐ君。 愛しい。 言葉がなくても。 俺達は、愛し合ってる。 他人に何が分かる? 愛しい。 そのことに嘘偽りもなく。 只、男同士だということ…。 貴方は、この愛を否定しますか? .
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加