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「だぁかぁらぁ、アンタはアタシを助けた時点でアタシに捉えられたンだ!! 理解した?」
「んーと……」
首を捻る僕。頭を
「さっき死にたいと思ってたアタシは死んだンだ。アンタはアタシを助けた事で退屈な世界に引き戻した。つまりアタシの生きる意味になる義務を果たさなきゃいけない」
いや、無理だから。純粋に理屈も通らない久留米沢雛の方程式に共感出来ないのは僕だけではない筈。
「えっと……分かりたくないかなー……って……ね?」
色素の薄い髪に色白、パッチリの猫のようなつり目が印象的な久留米沢雛は、これでもかというほど目を見開き、じりじりと僕の方へ寄ってきた。
「ふふふ。アンタの意見なんて聞いてないよ。ただの忠告だし」
聞く耳持たずな久留米沢雛は僕よりも少し小さな体で背伸びをし、震える頬にキスを落として階段へと去っていった。
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