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今日は、ゼミも無い。午前の講義を済ませ、秋人は自分の研究室(と言っても、ただの部屋だが)に戻っていた。パソコン画面に、一枚の画像が映っている。眠っている美月、気紛れに撮した一枚だ。秋人は、ため息をつくと天を仰いだ。こんな画像をノートに入れていること自体、間違いなくアイツに毒された証拠だ。
「センセ、何?それ彼女?!」
「?!」
しまった、気付いたときには数人の男子生徒に詰め寄られていた。
「ノックぐらいしろ!」
「したって、それよりセンセも“男”だったんだ。」
「?なんなんだ。」
「だって、それ“鏡 アリス”でしょー。」
アリス、そういえば冬夜も美月をそう呼んでいたか。
「なぁ、その鏡アリスは何をやってる奴だ?」
彼らは、顔を見合わせ呆れたように、こちらを見ている。
「センセー、本気で言ってます?」
「当たり前だ。」
「AV女優でしょ。」
「可愛いくてスタイルよくて、アノ声もイイよな?」
「AVコーナーでも、目立ってるよな?あれ、センセー?」
頭が、クラクラした。生徒を置き去りに、部屋を後にする。気付けば、レンタルショップに着いていた。
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