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「普段行かないカフェに、無理矢理冬夜に連れていかれたとき、カーテンで仕切られた後ろのテーブルから聞き慣れた声が聞こえた。くそ真面目なボンボンを落としたと、冴えない男だけど、金だけは持ってるから玉の輿にのれるかも、とな。」
「秋人…。」
美月の顔を秋人の両手が包み込む。じっと、二人見つめ合った。
「だから、俺は自分の事しか考えないと決めた。誰も信じない、愛さない。もう傷つくのはゴメンだ、裏切られるのは沢山だ。そう思っていたのに、お前は俺の心のなかに、気付けば入り込んでいたな。」
「…私、ホントは離れたくなんてなかった。秋人と居たい、愛してるから!」
「ああ、俺も愛してる。美月…。」
息が出来ないほど、何度も舌を絡ませキスをした。もう、この想いを隠す必要もない。
この日、二人抱き合いながら眠った。互いの体温を感じながら。
後日。
「ジムのプールに三角ビキニで泳ぎにくるのは、お前くらいだぞ。」
「えー?だって、コレ可愛いもん。」
プールサイドで、美月は悩ましげなポーズをとる。アリスに気付いて集まってきた男どもの、スケベ顔にウィンクすると、水中の秋人に向かって飛び込み抱きついた。
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