灼熱の彼岸花

彼岸花

私の家の近くには彼岸花が沢山咲く場所がある。

赤い彼岸花が一面を覆いつくすのだ。

まるで真っ赤なビロードの絨毯のように。

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夏休みが終わったと言うのに私はまだ家にいた。

専門学校の始業は、高校と違って遅いが、流石に彼岸までは休みではない。だが私はまだ家（実家）にいた。

大分県竹田市……そこに私の実家がある。

専門学校がある博多に比べるとど田舎だが、私はそこが気に入っていた。

四季を感じられるから。

博多は交通も便利だし、コンビニも近くにあるだが同時に、季節感を感じにくい場所だった。たった二年と高を括って一年半頑張って自分を作っていたが……夏休みに入る前その糸が切れた。

ぷつりと音をたてて。

どちらにせよ休養は必要だったに違いない。