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聞き流したというのに。
だが、そのおもいとは裏腹に、見えてきた七ツ森古墳群に私はひきつけられるように、バイクの進路を変えた。
七ツ森彼岸花まつり。
手書きされた幕が入口に掲げられている。連休の始めのせいか、些か車が止まっているようだ。
その駐車場にバイクを止めると、古墳に向かう。
なんだろう……。
寒気がする。
すぐに真っ赤なそれが目に入った。目を奪われるような赤だ。
うわ……すご。
古墳の丸い膨らみを覆うように彼岸花が咲き乱れている。
艶やかな赤が、一面。
観光客もちらほらいる。
私は、何かに誘われるように、奥へと踏み行った。
何基かの古墳がある。七ツ森と言うぐらいだから、昔は七ツあったのだろう。
なぜか奥へと足を運ぶ。
そして、私は、立ち止まった。
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