活動01 学園祭1日目

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だが、最上階についた時には息がきれていたのは言うまでもない。 僕はその階から適当な教室を見つけて着替えをすます。 僕達のクラスではメイド喫茶をやる事になっている。つまり、僕の現在の格好はメイド服に長髪(カツラ)である。 「はぁ…」 自分の姿を鏡で見てため息がでた。 背が低いうえに細い身体、おまけに高い声。僕の外見と声は女性そのものだ。 そして僕は、眼鏡を外してみる。さらに女にしか見えなくなる。 「はぁ…」 そんな自分を見るとため息しかでない。 実はこの眼鏡は度がはいっていない。昔、この女のような外見を隠すために掛け始めた眼鏡。それを外した瞬間、鏡の中には普段の自分とは対称的な可愛い女性しかいなくなった。 この眼鏡を掛けたのは小学生の時だったが、それまでに何度か告白された過去は抹消したい。危うく小学生をホモの道を走らせる事になったのだ。「お前は産まれてくる性別を間違えた」とまで言われた。 悲しくなってくる。 そんな昔の思い出、またはトラウマを自分の姿を見て思い返しているとハッ!と突然ある事を思い出した。 早く教室に戻らないといけないのであった。 「いそがないと!」 僕は着替えのため閉めきった扉を勢いよく開け、走り出すように廊下に出た。 そして、僕は出会った。生徒会長、勅使川原永遠会長に。 会長は廊下の窓から学園祭を眺めている。急いでいた足は自然に止まり、僕はその静止画のような一瞬に見とれてしまっていた。 すると、若干強めの風がふいた。 会長は風で靡いた髪を左手で耳に掛ける。その時、会長はこちらに気がついたようで、こちらをむいた。 いったい、どれだけの時間が流れたかはわからないがその間、僕と会長は見つめあうような形になっていた。
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