~第③章~

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玲汰「父上…しっかりして下さい。」 半蔵「庵…」 庵は途切れ途切れの声で力を振り絞り語り始めた。 庵「玲汰よ…。 神が授けしその蒼き眼… お前にはまだ秘めたる神の力がある……力に溺れず…弱き人々を…助けるのだ。『それが天がお前に与えし宿命…』」 玲汰「父上!父上ぇー!!」 庵は半蔵を見上げた。 庵「半蔵よ…私は…人間の欲望の…醜さに…耐えられなかった。…しかし玲汰と共に暮らす内に…人の優しき心は何物にも負けぬ事を…知った。」 半蔵「……。」 庵「私となしえなかった…夢を…紅き眼を持つお前と蒼き眼を持つ玲汰とで…なしえて…くれ……玲汰を頼んだぞ…。」 半蔵「あぁ…分かった。」 ゴホッゴホッ… 庵「玲汰…今まで……あり…がとう……。」 ドサッ… 玲汰「父上っ…父上ぇー!僕はまだまだ貴方に教わらなければならない事があるんだ!眼を覚まして下さい!!父上……」 半蔵「玲汰…お前の父上は素晴らしき男だった…。」 玲汰は半蔵を見上げた。 半蔵の顔は歪み、堪えきれない涙が溢れ出していた。 半蔵「玲汰よ…夢を叶えに行くぞ……。」 玲汰「はぃ…。」 こうして玲汰は戦乱の世に身を投じて行くのだった…。
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