11人が本棚に入れています
本棚に追加
ふもとへ下りる途中、鈴が玲汰にふと問いかけた。
鈴「ねぇ~ねぇ~!玲汰って何歳なの??」
玲汰「僕は16です。」
鈴「アタシより3つ年下かぁ~。ってことは佐助と同じかぁ。」
鈴は続けて玲汰に質問をした。
鈴「玲汰と父上はどういった知り合いなの??」
玲汰「……。」
玲汰は言葉を詰まらせた。
まだ庵を失ってからそう時間がたっていないので当然といえば当然である。
玲汰「亡くなった父上の良き戦友だったのが半蔵さんなんです…。」
今の玲汰にはその言葉が精一杯だった。
鈴「ごめんなさい…。余計な事聞いちゃって。」
しばし二人の間に沈黙が続いた。
ワイワイ…ガヤガヤ……
黙々と山を下る二人にだんだんと人の声が近付いてきた。
鈴「玲汰ぁ~。もぉ杉並村(すぎなみ)に着くよ!」
玲汰「はい!……ん!?」
玲汰は村の近くを走るまだ5~6歳の女の子に目がとまった。
玲汰「鈴さん!あの女の子が口もとに巻いてるのは??」
と玲汰が問いかけた。
鈴「あれは紙だよ!あれを付けて息をしにくくして村の周りを走るの!?」
伊賀の里では幼い頃からこうした過酷な鍛練を行うのだ。
鈴「もぉすぐそこだよ!?」
そう言うと鈴は村の中へと駆け出した。
最初のコメントを投稿しよう!