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「慎哉」
「慎哉君」
大好きなママとパパが呼んでいる。
いつものように早く抱きつこう。
「パパー、ママー」
ほら、もう少しで大好きなパパとママにたどり着ける。
あと少し…
もうちょっとだけなのに…
キキィー
なんで?
目の前には笑顔のパパとママがいるはずなのに…
なんで?
僕の目の前には血まみれで倒れているパパとママがいるの?
なんで?
これから手を繋いで家に帰ろうとしたのに…
なんで?
その家までの道に血で赤く染まったタイヤ痕がついてるの?
なんで?
車が横転してるの?
なんで?
パパとママは起き上がらないの?
なんで?なんで?なんで?
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