story7

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「本日は我が茶道部に体験入部をして頂き、誠にありがとうございます。今回亭主を勤めさせて頂きます、二階堂【ニカイドウ】でございます。点前は濱夏でございます……本来は部長が亭主を勤めるんだけどね」  お茶の道具を一通り揃えた綾女の後を続けるように現れた男子に、ぽかんと呆気にとられていれば、目の前に菓子が運ばれる。  菓子を置き、お辞儀する男子に取り敢えずお辞儀をすれば、有坂さんに頷かれた。 「本日のお菓子は私【ワタクシ】の最高傑作、練切で“紫陽花”でございます」  て、手作り!?細か過ぎる……。 「紫【ムラサキ】くんのご実家は、老舗の和菓子屋なんですよ」 「何か凄いですね……」  食べるのが勿体無いくらい綺麗なのに、綾女に菓子をどうぞ……なんて勧められる。 「美味しい!!」 「ありがとうございます」  オレの喜びの声に、紫さんがニコリと微笑む。 「紫はん、お茶を……」  スッと綾女が座る畳の隣にお茶が出され、紫さんがお茶を運ぶ。 「次客様には、お代えのお茶碗で煎れさせて頂きます」  綾女はオレに向かい、小さくお辞儀した。 「終始お辞儀だらけ……」 「お辞儀も三種類有りますから、後で覚えましょうね」  有坂さんがお茶碗を二回半回し、ごくりと喉を鳴らして茶を飲む。 「……!!濱夏くん、抹茶がだまに成ってますよ!」  有坂さんは目を見開き茶碗の口元を指で拭い、菓子を乗せていた紙で指を拭く。
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