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じっと七海の手元を見つめていれば、目の前に特大あんみつが置かれた。
「やる。食いたいんだろ?」
この時ばかりは、何時も大魔王とか言ってるけど……七海が神様に見えた。
「良いのか?」
「要らないなら返して貰う」
あんみつを引っ込める七海に、いるいる!!と言えば、七海は笑顔を見せた。
眩しくて、至極キラキラした笑顔を……。
「ありがとう」
だから、オレもきちんとお礼が言えた。
七海のさりげない優しさが、何だかこそばゆかった。
「うめぇ!!」
「俺のお気に入りだからな」
得意気に、だけど照れながら言う七海が可愛くて笑みが溢れる。
「優里斗、俺にも」
大知が口をあーん、と開けて待っていた。
「ん」
スプーンを差し出せば、大知はぱくりと口を閉じ、美味しそうににこりと笑う。
「甘い、けど美味しい。つーか、俺……七海先輩の将来が不安なんだけど」
確かにあれだけ食べて、太らない体質とか言うけど、そう言うのは三十路過ぎてから出るって言うしな……。(母さんの従姉妹が言ってた)
「でも、太った七海とか……想像つかない」
オレの言葉に、雪海がお茶を吹いた。
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