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「じゃあ優里斗くん、オレ達行くね」
バイバイ……と手を振りながら、雪海と七海は食堂を後にした。
順を追うように、聖海さん含む先輩'sも授業の為、去って行った。
残されたオレと大知は食器を片付け、帰ろうかと顔を合わせる。
「何か……嵐が去ったみたい」
ぼそりと呟きながら食堂の扉に手を掛ければ、大知も同じように呟いた。
「先輩達人気なんだな。あの黄色い声……」
未だにキャアキャア言う集団に、呆気に取られていれば、開けようとした扉が勝手に開き始める。
「えっ……!?」
そしてそのまま、扉はオレにぶつかった。
「痛っ……!!」
声に成らない叫びを上げれば、扉の向こう側から人が現れた。
「ご、ごめん!大丈夫か?」
潤む瞳で見上げれば、発色の強い桃色の髪をした、ピアスだらけの如何にも不良が立っていた。
「はい……何とか」
そう言い立ち上がれば、大知が心配そうに額を見てくれ、不良はオロオロしていた。
「本当に大丈夫?怪我とかしてたら、俺……」
派手な風体に似合わぬ言動に、思わず笑みが溢れてしまい、不良が涙目に成っていた。
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