story5

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 何だかんだで、ババヌキをやる事に決まり、オレはベタにも程が有る最後二枚に苦戦していた。 「どっちにするんだ?」  優里斗くんがわくわくとした表情で、オレがカードを引くのを待つ。 「うーん……」  右か左か、直感で引くしか無いのかと思いながら唸る。 「はーやーくー」  急かす優里斗くんに、慌てるオレ。  きっと此れは、優里斗くんの作戦だったに違いない。  急かされたオレは誤った判断により、見事ジョーカーを引いた。 「やりっ!じゃあ、お先にあがりっ」  半放心状態だったオレは、ジョーカー片手に固まっていた為、優里斗くんに残りカードを取られた。 「卑怯者ー……」  そう言い優里斗くんの方へ飛び掛れば、バランスを崩してしまい、覆い被さるように成った。 「うわっ!!」 「優里斗くんの卑怯者ー……」  オレは結構根に持つタイプらしく、優里斗くんを抱き締めながら卑怯者を連呼する。 「策士と呼べ!」 「何か優里斗くん……七海みたい」  ボソリと漏らせば、脇腹を盛大に擽られた。  優里斗くんと同じで、オレの弱点もまた脇腹なのだ。
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