story5

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 擽り攻撃に身をよじりながら抵抗するも、擽ったくてそれ所では無い。 「優里斗くんっ、ギーブー!!」  この時の優里斗くんの顔ったら、七海よりも悪魔みたいだった。  ……否、小悪魔みたいだった。 「ヤだね。苦しめー」  何時の間にか優里斗くんがオレの上に馬乗りに成っており、タイミング良く扉が開かれた。 「……お邪魔しました」  七海だったらしく、控え目な声と共に扉が閉め……られる訳も無く、逆に勢い良く開けられた。 「ぐぉらぁ!!クソ雪、優里斗襲ってんじゃねぇよ!!」  兄ちゃん……良く見て、襲われてるのオレ。  まぁ、優里斗くん一番な七海には関係無いか。 「襲……襲う?」  テンパる優里斗くんが可愛くて、思わず抱き締めた。 「ゆーきー!!」  ズカズカと部屋に入る七海と、勝ち誇った笑みを浮かべるオレ。 「上の子は下の子に宝物を奪われる運命なんだよ」  七海くらい低く更にドスの利いた声で言えば、七海は悔しそうに下唇を噛んだ。 「……あぁそうですか!ワカリマシタ。“賢い大人”は“我が儘なお子ちゃま”に、玩具を譲って差し上げますよぉーだ!!」  いや、明らかお子ちゃまはお前だろ、七海。
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