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擽り攻撃に身をよじりながら抵抗するも、擽ったくてそれ所では無い。
「優里斗くんっ、ギーブー!!」
この時の優里斗くんの顔ったら、七海よりも悪魔みたいだった。
……否、小悪魔みたいだった。
「ヤだね。苦しめー」
何時の間にか優里斗くんがオレの上に馬乗りに成っており、タイミング良く扉が開かれた。
「……お邪魔しました」
七海だったらしく、控え目な声と共に扉が閉め……られる訳も無く、逆に勢い良く開けられた。
「ぐぉらぁ!!クソ雪、優里斗襲ってんじゃねぇよ!!」
兄ちゃん……良く見て、襲われてるのオレ。
まぁ、優里斗くん一番な七海には関係無いか。
「襲……襲う?」
テンパる優里斗くんが可愛くて、思わず抱き締めた。
「ゆーきー!!」
ズカズカと部屋に入る七海と、勝ち誇った笑みを浮かべるオレ。
「上の子は下の子に宝物を奪われる運命なんだよ」
七海くらい低く更にドスの利いた声で言えば、七海は悔しそうに下唇を噛んだ。
「……あぁそうですか!ワカリマシタ。“賢い大人”は“我が儘なお子ちゃま”に、玩具を譲って差し上げますよぉーだ!!」
いや、明らかお子ちゃまはお前だろ、七海。
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