これまでも、これからも、

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  「ひなくん。」 「ん?」 「俺、もう25ですよ? 子供扱いしんとってや。」 頭をぐしゃぐしゃされるのが、子供扱いっぽくて少し嫌やねん。 それを言ったのに、ひなくんは意味を理解しとるんか、更にくしゃっと、髪を撫でてきた。 「ほっか‥。 もう、大人‥やな。」 そうやって 嬉しそうに微笑むから、 ただ、口を閉じて‥、 ‥‥その手の温もりを 感じることしか、 出来ひんくなってもうたやん‥ 「そんな深く考えんでも‥‥ 俺にとっての亮は‥‥、 いつも、いつまでも、 変わらん、俺の好きな 亮のまんまやで。」 チャームな八重歯を 口から覗かせて、 目を細めて笑うひなくん。 「‥っ‥」 「‥ん?りょう‥?」 「っ全く、あんたは‥‥‥ ‥‥‥なんちゅう、 可愛いこと‥、 言うてくれんですかっ‥」 引っ込めようとした腕を引いて、その体を腕に収めた。 子供、やなくて 大人、やなくて 今もいままでも、 俺を、見てくれてる、って。 俺自身を愛してくれてる、って。  
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