しあわせバカ

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  「なんか‥、 信五さんから誕生日コールなんて、初めてやない?」 寝る気満々やった暗い部屋に、 灯りを灯して、暖房つけて。 せっかく夜中に 電話くださったんですし、 ‥‥‥何より、普段、 恋人らしいことをまったく、と云って良いほど、してくれない信ちゃんが、自ら電話でお祝いをしてくれはったんやで? もう、‥めっちゃ、 嬉しいやないですか‥。 きっと、今が夜やなかったら、 雄叫びあげてます← 「んー‥まあ‥、 いつも、誕生日は一緒に 居ったから‥やなあ、‥する必要、なかったやん、か。」 ぽつり、ぽつり、 電波にのって流れてくる言葉。 きっと、それを言ってる本人は、頬をほんのり赤くして、 照れくさそうに、髪でもかいてんやろうな‥。 姿を想像したら なんだか幸せで、 自然と口元が緩んだ。  
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