しあわせバカ

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  「っやからもう‥、欲張りすぎた、とか、そんなん、言いなやっ‥‥ ‥お前が、欲張りならんで 退いたら、俺‥‥、 ほんまにどうすればええのか、分からんやろっ、 俺は‥、今のお前とおれることが、幸せなんやから‥‥ ‥‥っっ、あーもうっ!!/ 、今日だけやからな、こんなんっ!絶対、言ってやらん!」 目があった途端、ばっ、と、身体を背けて、どたばた、リビングに駆けていってしまった信ちゃん。 外で待ってた寒さのせいか、 慣れないことをしたせいか、 耳が真っ赤だった彼の背中が 残像として頭に残る‥‥ 「最高、の、誕生日プレゼントやないですか‥‥‥」 自然ににやけてしまう口元を、必死に手で抑えた。 だってこんなの、ほんまに‥ 「もう、信五さーんっ!」 「うわっ、 ちょ、くんな、ぼけっ!!」 僕も、貴方とおると、 幸せすぎるくらいです。 そう思いあえる僕らって、 結構な、バカップル? 「好きっ、大好きですっ!」 「~っ、耳元で叫ぶなっ!/」 照れ隠しの拳を受けながら、 どうしようもなく この空間が愛おしく感じた‥ そんな、26歳、始まりの朝。 end  
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